英語お役立ち情報English Pronunciation Column

英語のリダクションを理解してネイティブの発音を身につけよう!

皆さん、こんにちは。
Discovering Soundsです!

ネイティブが話す英語を聞いたとき、何を言ったのか良くわからないということがありますよね。これは「リダクション」と呼ばれる音の変化によるもので、スペル通りの発音ではなかったり、省略されてしまうことが良くあるため、ネイティブの英語が聞き取れない原因となっています。
今回は、リダクションとは何か?また、リダクションのルールについて解説します!

英語のリダクションとは?

「リダクション(Reduction)」とは、本来発音されるべき音が脱落し、発音されない現象のことをいいます。ネイティブが自然なスピードで英語を話す際の音声変化のひとつで、「エリジョン(Elision)」とも呼ばれます。

【参考】
「Elision(脱落)」とは?
https://discoveringsounds.com/elision

英語の発音ルール:[h]と[ð]の脱落編
https://discoveringsounds.com/column/h-reduction_th-reduction

英語のリダクションのルールを覚えよう

ここからは、リダクションの主な規則やルールについて解説します。

一度にすべてを覚える必要はありませんが、仕組みを理解し、少しずつ身につけることで英語の発音やリスニングの向上に役立つはず。
声に出して繰り返し練習をし、音声変化の感覚をつかんでみましょう!

[t]で終わる単語のあとに子音が続くとき(Glottal-t / Glottal-stop)

過去記事でGlottal-tの単語についてご紹介しましたが、文章になっても同様のルールが適用されます。
[t]で終わる単語の後に子音で始まる単語が続くとき、[t]は脱落し、発音されません。

・It depends. /ɪ(t) dɪˈpendz/
→「イッ・ディペンヅ」のようなイメージ。

・Not now. /nɑː(t) naʊ/
→「ナーッ・ナーゥ」のようなイメージ。

【参考】
「glottal-t、glottal-stop」とは?
https://discoveringsounds.com/glottalstop

英語の/t/の発音は5種類ある!ー”Glottal-t / Glottal-stop”とは?
https://discoveringsounds.com/5-t-sounds/glottal-t-glottal-stop

mountainをアメリカ英語で発音すると?
https://discoveringsounds.com/column/mountain

[p][k]で終わる単語のあとに子音が続くとき(Glottal-stop)

破裂音と呼ばれる[p][k]の後に子音が続く場合、[p][k]が脱落します。

しかし、先ほどの[t]の脱落と同様に、「脱落」といっても音が完全になくなるわけではなく、脱落する子音の「間」は必要なので覚えておいてください。[p][k]のポジションは取り、弾かずに次の音へ移行します。

・Stop talking. /stɑː(p) tɑːkɪŋ/
→「ストッ(プ)トーキング」のようなイメージ。

・Help me. /hel(p) mi/
→ 「ヘルッ(プ)・ミー」のようなイメージ。
[p]で口は閉じますが、「プッ」と発音はしません。ただし、少し[p]の息が少し漏れてしまっても構いません。

・Talk to me. /tɑː(k) tə mi/
→「トーッ(ク)・トゥ・ミー」のようなイメージ。

・Just like that. /dʒʌs(t) laɪ(k) ðæt/
→「ジャス(ト)・ライ(ク)・ザット」のようなイメージ。
舌を[k]の位置に付けますが、「クッ」と発音はしません。息を少し止めるようなイメージで言うと良いでしょう。

前置詞on/in/atなど

前置詞は文章をつなぐための役割をし、実質的な意味を持たないため弱く発音されます。話し手が強調したい場合をのぞいて、短くまたは弱く聞こえます。辞書には「強形」「弱形」と複数の発音記号が表示されている場合がありますが、強調しない場合は「弱系」の発音となります。

on /ɑːn/ → /ən/
・You can put it on your desk. /juː kæn pʊt ɪt ən jər desk/

in /ɪn/ → /ən/
・She put it in her bag. /ʃiː pʊt ɪt ən hər bæɡ/

at /æt/ → /ət/
・He was at the station. /hiː wəz ət ðə ˈsteɪʃən/

ただし、前置詞にアクセントが置かれる場合はリダクションが起こらない場合もあります。

・What are you úp to? /wʌt ər ju ʌp tuː/
・Come ín. /kʌm ɪn/

接続詞and/butなど

接続詞and、butなども文中に接続詞がくる場合などにリダクションが起こります。

and /ænd/ → /ən(d)/
・I had coffee and a toast this morning. /aɪ həd ˈkɑːfi ən ə toʊst ðɪs ˈmɔːrnɪŋ/
andの[d]も脱落して冠詞aとリンキングし、/ənə/となり、「ェナ」というイメージで発音されます。

but /bʌt/ → /bət/
・Thank you, but I have to go. /θæŋk juː bət aɪ hæv tu ɡoʊ naʊ/
butの[t]はflap-tとなり、「バダィ」もしくは「バラィ」といった軽いdのようなイメージの発音となります。

人称代名詞her/himなど

he/his/him/her など人称代名詞のリダクションも押さえておきたいポイント。
文中の人名代名詞her/himなどの[h]はほとんど発音されないので覚えておきましょう!

he /hiː/ → /i/
・Where did he go? /(h)weər dɪd i ɡoʊ/
didとheがリンキングして、「ディディー」のようになります。

his /hɪm/ → /ɪm/
・I like him so much. /aɪ laɪk ɪm soʊ mʌtʃ/
like himが「ライクィm」というイメージで発音されます。

her /hər/ → /ər/
・I told her the news. /aɪ toʊld ər ðə nuːz/
told herの発音は、「トーゥルドゥァー」のような発音となります。

ただし、人名代名詞の[h]が脱落するのは文中にある場合だけです。

・He is so sweet. /hiː ɪz soʊ swiːt/

のように人名代名詞の[h]が文頭にある場合はしっかり[h]が発音されるので注意しましょう!

また、代名詞themのthが脱落し、さらに母音も弱化して実際に聞こえるのは/əm/の音だけになることがあります。

them /ðem/ → /əm/
・I’ll take them. /aɪl teɪk əm/
take themがリンキングして「ティクェm」のように発音されます。

・Give them to him. /ɡɪv əmɪm/
give themは、「ギヴェm」のように発音されます。

動詞・助動詞have,has,hadのh

動詞・助動詞have,has,hadの[h]も、文章の中で音が脱落します。文中ではhの音がほとんど聞こえなくなります。さらに弱化してhave /hæv/は/əv/に、has /hæz/は/əz/に、had /hæd/は/əd/になります。

・I have to go now. /aɪ əf tə ɡoʊ naʊ/
・She has two dogs. /ʃiː əz tuː dɑːgz/
・He had a big house. /hiː əd ə bɪɡ haʊs/
・You shouldn’t have done that. /juː ˈʃʊdn əv dʌn ðæt/

最後の例文のshouldn’t haveは、shouldn’tの[t]も脱落し、「シュドゥンナヴ」というイメージで発音します。

まとめ:英語のリダクションを理解してネイティブの発音を身につけよう!

今回は、英語のリダクションとは何か?また、リダクションのルールについても解説しました。
リダクションには主に、

・特定の単語の音が消え、スペル通りに発音しない
・語尾の破裂音[t][p][k]の脱落
・前置詞、代名詞、接続詞、助動詞のリダクション

があることを理解し、発音の向上に役立ててください。
Discovering Soundsのレッスンでは、独自に開発したネイティブ筋エクササイズを行い、全ての母音と子音の正しい発音方法を習得することができます。
発音の基礎を身につけることで、英語を滑らかに話すことができるようになります。
どんなレッスン内容か気になる方は、まずは体験レッスンにお申し込みください!


関連記事はこちら

英語のスピーキング力を鍛える3つのポイント!通じる英語を話そう

母音/ɛ/になる6つのスペルを理解しよう!

英語の母音「エ」:/e/と/ɛ/の違いって何?

最新SNS系英単語ーcorecore/deinfluencing/quiet luxury

シャドーイングで発音力アップ?効果のある練習方法とは

お気軽にお申し込みください!

60分体験レッスンのお申し込み