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There isとThere areの使い方とThere is が不自然になる意外な場面について
英語で「〜がある」「〜がいる」と存在を表す際、最も基本的な表現が There is と There are です。日常会話や文章で頻繁に使われるこの表現ですが、使い方を誤ると不自然に聞こえたり、意味が伝わりにくくなったりします。
特に日本語の「ある・いる」と同じ感覚で直訳してしまうと、間違いやすいポイントがいくつかあります。
今回は英語発音矯正スクールのDiscovering Soundsより、基本的な使い方を整理したうえで、There is が不自然に聞こえる意外な場面、さらにカジュアルな口語表現でよく見られる There’s + 複数形 の使い方についても詳しく解説します。
目次
There is と There are の基本的な使い方
英語において There is と There are は、主語の数によって使い分けます。基本ルールは単純で、単数や不可算名詞には There is を、複数名詞には There are を用います。
まず There is ですが、これは単数名詞や不可算名詞とともに使います。たとえば「テーブルの上に本が1冊ある」という場合は “There is a book on the table.” と表現します。また不可算名詞の例としては、水や砂糖、情報などを扱う場合で、”There is some water in the bottle.” や “There is information available on the website.” のように用いられます。
一方、There are は複数名詞とともに使います。複数の人や物が存在することを示す際に用いるもので、例えば “There are three cats in the garden.” のように複数の猫が庭にいる場合に使います。また抽象名詞や可算名詞の複数形と組み合わせて “There are many problems to solve.” のように表現することも可能です。
混同しやすいポイント
There is と There are は、数の一致に関して混乱しやすい表現です。単数形なのに There are を使ったり、複数形なのに There is を使ったりする例は初心者だけでなく、中級者でもよく見られます。例えば “There are a book on the table.” は明らかに誤りです。正しくは “There is a book on the table.” です。また、”There is three cats in the garden.” も誤りで、”There are three cats in the garden.” が正しい表現になります。
不可算名詞と可算名詞の区別も重要です。不可算名詞は基本的に単数扱いなので There is で表現します。たとえば “There is some sugar.” は正しいですが、”There are some sugar.” は不自然です。逆に複数形の可算名詞の場合、必ず There are を使う必要があります。
There is が不自然になる意外な場面
日常会話では、There is を使えば自然に聞こえると思いがちですが、実際には不自然に聞こえる場面がいくつかあります。ここでは特に注意すべき例を紹介します。
1. 複合主語
複数の名詞や要素を一つとしてまとめた複合名詞では、原則として形に合わせた数を使います。
たとえば “a pair of shoes”(靴の一足)の主語はあくまで**「一組(a pair)」という単数**です。そのため、厳密な文法では “There is a pair of shoes on the floor.” が正しい形となります。
2. 複数の名詞を列挙する場合
There is は単数や不可算名詞に限定されるため、複数の具体的なものを列挙する場合には不自然になります。たとえば “There is a pen, a notebook, and an eraser on the desk.” は不自然で、正しくは “There are a pen, a notebook, and an eraser on the desk.” です。列挙する対象が複数である場合、意味的にも文法的にも There are を使う必要があります。
3. 新しい情報や文脈上初出のものを紹介する場合
英語では there is / there are は話し手や書き手が新しい情報を相手に提示する際に使うことが多く、既知の情報を述べる場合には不自然に聞こえることがあります。例えば、会話の中で「すでに話題に出ている猫」について言う場合、単に “The cat is on the roof.” の方が自然です。一方、屋根の上に初めて猫がいることを伝える場合は “There is a cat on the roof.” が適切です。このように 文脈上「新情報」か「既知情報」か を意識することも、There is / There are を自然に使うための重要なポイントです。
口語でよく見られる There’s + 複数形
ここまで使い分けを説明しましたが、実はカジュアルな会話では、There’s + 複数形 が頻繁に使われます。例えばネイティブは “There’s so many people here!” や “There’s two books on the table.” のように言うことがあります。文法的には厳密には正しくないものの、話し言葉では自然に聞こえます。
この用法は、話すときに「There’s」という短縮形が便利で、速く言いやすいという理由からです。ただし、書き言葉やフォーマルな文章では避け、複数名詞には必ず There are を使用することが推奨されます。
日常での自然な使い分けのコツ
日常英会話で There is / There are を自然に使い分けるためには、次の点を意識すると良いでしょう。まず、文の主語が単数なのか複数なのかを確認することです。特に集合名詞や複合名詞の場合は、見た目だけで判断せず、内部の数を意識することが重要です。次に、複数の物や人を列挙する場合は、必ず There are にすることを習慣づけると自然な表現になります。不可算名詞や抽象名詞を扱う場合は、There is を使うことで間違いを避けられます。
さらに口語では、There’s + 複数形が使われることもあるが、フォーマルな文章では使わないことを意識すると良いでしょう。
まとめ:There isとThere areの使い方とThere is が不自然になる意外な場面について
いかがでしたか?今回の内容としては、
・There is は単数名詞や不可算名詞とともに使う
・There are は複数名詞や複数のものを列挙する際に使う
・there is / there are は話し手や書き手が新しい情報を相手に提示する際に使う
・口語では There’s + 複数形が使われることもあるが、フォーマルな文章では避ける。
以上の点が重要なポイントでした。There isが「~ある」とだけ覚えていると、不自然な言い方になってしまう場合もありますので、今回の内容をしっかり覚えておきましょう。特に初めての情報に用いるというのはポイントです。
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