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文末の無声音の/p/, /t/, /k/ の発音
こんにちは!Discovering Soundsです。
英語の発音において、文末に来る無声音(/p/, /t/, /k/)は強く発音されないか、破裂せずに弱く終わることがあります。この現象は「unreleased」(破裂しない)と呼ばれ、特にネイティブスピーカーの会話では一般的です。文中では明瞭に発音されることの多い破裂音も、文末では発音が短くなるか、ほぼ聞こえなくなるため、英語学習者にとっては聞き取りや発音の難しさを感じるポイントです。
本記事では、無声音 /p/, /t/, /k/ が文末で「unreleased」になる現象を詳しく解説し、具体例を通じてその発音に慣れる方法を提供します。
目次
無声音の「unreleased」な音とは?
「unreleased」とは、破裂音(/p/, /t/, /k/)が完全に音として発せられない現象を指します。この場合、空気の解放が止まり、音が弱く終わるため、聞こえにくいことがあります。たとえば、「stop」の /p/ や「cat」の /t/ は、通常、唇や舌が所定の位置にとどまり、破裂音を伴わずに発音が終了します。
文末での「unreleased」な破裂音の種類
/p/(両唇音)
- 唇を閉じたまま音を破裂させずに発音が終わる。
- 例: “stop” → 唇を閉じるが音は出ない。
/t/(歯茎音)
- 舌を歯茎(上の歯の裏)に当てたまま破裂音を出さずに止まる。
- 例: “cat” → 舌が歯茎に触れて音が消える。
/k/(軟口蓋音)
- 舌の後ろを口の奥の上顎(軟口蓋)に押し当て、破裂音を出さずに終わる。
- 例: “back” → 舌の動きで止まる。
また、有声音の破裂音である /b/, /d/, /g/ も、場合によっては「unreleased」になることがありますが、無声音ほどは顕著に現れませんので、本記事では上の無声子音のみご紹介します。
「unreleased」な /p/ の具体的な例
無声音 /p/ は、文末で「unreleased」になりやすい音の一つです。具体的には、発音時に唇を閉じたまま破裂させずに終わることがあります。この現象は、自然な会話で頻繁に見られ、最後の音が聞こえにくくなることがあります。以下は /p/ が文末で「unreleased」になる例文です。
I need to stop.(私はやめる必要がある。)
Did you see the map?(地図を見ましたか?)
She drank the last drop.(彼女は最後の一滴を飲んだ。)
He climbed to the top.(彼は頂上まで登った。)
Don’t forget to pick it up.(それを拾うのを忘れないで。)
I bought a new laptop.(新しいラップトップを買った。)
I’m going to take a quick nap.(ちょっと昼寝をするよ。)
She made a big leap.(彼女は大きな飛躍をした。)
I need a haircut. My hair is too long on top.(髪を切る必要がある。髪のトップが長すぎる。)
Please fill up the cup.(カップを満たしてください。)
He got the job at the coffee shop.(彼はそのカフェで仕事を得た。)
これらの例文では、“unreleased” /p/ が文末に来るため、英語の自然な発音では唇を閉じたまま破裂せずに音が終わることがよくあります。
「unreleased」な /t/ の具体的な例
無声音 /t/ は、英語の文末に来ると「unreleased」になることが多く、舌を上の歯の裏に当てたまま音を止めてしまう場合があります。これは、特にアメリカ英語のカジュアルな会話でよく見られる現象で、文末の /t/ が完全に破裂せずに発音が終わる形です。この発音の仕方は、話し手が会話を自然に進めるために音を短縮し、次の単語や文にスムーズに移るための一種の調整とも言えます。
I forgot.(私は忘れた。)
Did you eat?(あなたは食べましたか?)
We should wait.(私たちは待つべきだ。)
He left his hat.(彼は帽子を置いていった。)
I’ll take that.(それをもらいます。)
She can’t find it.(彼女はそれを見つけられない。)
We met last night.(私たちは昨夜会った。)
I heard a strange sound at night.(夜に奇妙な音を聞いた。)
It was a good attempt.(それは良い試みだった。)
Don’t forget to turn off the light.(電気を消すのを忘れないでね。)
We’ll start at eight.(私たちは8時に始めます。)
I can’t believe it.(信じられない。)
That cat is very cute.(あの猫はとてもかわいい。)
これらの例文では、“unreleased” /t/ が文末にあるため、通常の速い会話では完全には破裂せずに終わることがよくあります。発音の際に、舌が歯の裏に当たったまま音が止まるのが特徴です。
「unreleased」な /k/ の具体的な例
無声音 /k/ は、文末に来ると「unreleased」になることがよくあります。この場合、舌の後ろ(後舌部分)を上の奥歯に触れた状態で、音が破裂しないまま発音が終わります。/k/ の音が弱まり、発音が途中で止まるため、言葉全体が柔らかく聞こえることが特徴です。
I’ll be back.(私は戻ります。)
He broke the clock.(彼は時計を壊した。)
The book is on the desk.(その本は机の上にあります。)
They took a long walk.(彼らは長い散歩をした。)
He’s really quick.(彼は本当に速い。)
I like that snack.(あのお菓子が好きです。)
It’s in the back.(それは後ろにあります。)
They’re on the same track.(彼らは同じ路線にいます。)
We need to talk.(話し合う必要がある。)
Put it in your backpack.(それをリュックサックに入れて。)
これらの例文では、“unreleased” /k/ が文末にあり、自然な発音では舌が口蓋に触れたまま破裂しないことが多くなります。
まとめ:文末の無声音の破裂音「unreleased」音の特徴を理解しよう
英語の発音では、文末に来る無声音 /p/、/t/、/k/ などの破裂音が弱まり、時には完全に発音されず「unreleased」になることがあります。この現象は特にカジュアルな会話でよく見られ、発音が柔らかく、次の言葉にスムーズに移行しやすくなります
たとえば /p/ では唇が閉じたまま、/t/ では舌が上の歯の裏に当てたまま、/k/ では舌の後ろ(後舌部分)を上の奥歯に触れたまま発音が終わることが特徴です。この「unreleased」音を理解することで、英語の発音がより自然になり、ネイティブらしい会話に近づくことができます。
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