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英語の[t]の発音を学ぶ上で外せない『Flap-t』とは?
皆さん、こんにちは!
Discovering Soundsです。
英語の[t]の発音は、日本語の「タ行」の発音とはかなり異なり、前後の音によって様々な音に変化してしまうのをご存じでしょうか?
今回のテーマはアメリカ英語の「Flap-t(フラップt)」について。
ある条件下で[t]の音が全く変わってしまう「Flap-t」について理解しましょう。
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目次
アメリカ英語特有の「Flap-t」とは何か?
英語の[t]の発音にはさまざまな種類があります。過去の記事で「Glottal-t」のルールについても説明していますが、同じ[t]でも条件によって全く異なる発音のルールがあるため、日本人にとっては非常に難しく感じるところでもあります。 「Flap-t」とは、[t]の音が「ドゥ」や「ル」に近い音に変化する発音です。例えば、以下の英単語もしくは連語の[t]の発音時に「Flap-t」が発生します。
- water
- get out
- better
- city
- hospital
なんとなくもうお分かりの方もいるかもしれませんが、better をアメリカ人が発音すると「ベラァ」のように聞こえますよね?これが「Flap-t」です。
【関連記事】「glottal-t、glottal-stop」とは?
Flap-tの重要度と発音方法
実際、Flap-tを完璧にマスターせずともコミュニケーションに大きく支障をきたすことはありません。しかし、「アメリカ人のように発音できるようになる」という目標を達成したい場合には、Flap-tを無視するわけにはいきません。Flap-tは、舌先で上あご(上の前歯の近くのざらざらした辺り)を弾いて発音します。ちなみにDiscovering Soundsではこの舌先の動きから「舐める音」と呼んだりしています。
Flap-tになる3つのルール
一体どのようなときに[t]の音がFlap-tになるのでしょうか。
ここでは、Flap-tが発生する3つのルールについて解説していきます。
ルール①単語内で[t]が母音に挟まれている
まず一つ目のルールはこちら。母音に挟まれた[t]はFlap化します。
「母音に挟まれた」というのは、スペル上の話ではなく発音記号上での話です。 例えば以下のような単語は[t]が母音に挟まれているためFlap化します。
- better /betər/ ← tの前が母音[e]、後ろが母音[ər]
- water /wɑːtər/
- party /pɑːrti/
- pretty /prɪti/
ルール②母音+[tl]で終わる単語
2つ目の条件は、語尾が母音+[tl]の単語です。かなりたくさんありますが、一部例を挙げておきましょう。
- bottle /bɑːtl/
- fatal /féɪtl/
- recital /rɪsáɪtl/
- hospital /hɑːspɪtl/
ちなみに、[tl]の場合は、[t]の後に[l]となっているため、一見母音に挟まれていないように見えますよね。
専門用語でSyllabic Lといいますが、bottleは2音節の単語ですが、日本の英和辞書などでは発音記号は /bɑːtl/となっており、[tl]で1音節とカウントされます。 英英辞書では、/bɑːtəl/のようにあいまい母音[ə]が入っている場合があるので、発音が[tl]なのか[təl]なのかは、専門家によって意見が分かれるところかもしれませんね。
ルール③ [t]で終わる単語の前後に母音がある(熟語・文章)
Flap-tは単語内に限ったことではなく、単語が2つ続く熟語や、文章でも[t]の前後が母音のときはFlap-tで発音することができます。
- Get in.
- Beat it.
- Cut it out.
- Not at all.
- Get out of here.
確かに、Get in の発音は「ゲリィン」のように聞こえ、[t]らしい音とはかけ離れていますね。このように、文章中でもFlap-tはしばしば見られるため、意識しておきましょう。
Flap-tを辞書で確認するには?
辞書で発音記号を確かめたとして、Flap-tはどのように記載されているのでしょうか。
オンライン辞書では、weblioでは[ṭ]という発音記号(tの下に.のマーク)であらわされていたり、Cambridgeなどの英英辞書では [t̬]という発音記号(tの下にvのマーク)で表示されているものがあります(例:water /wɑːt̬ər/)。 参考までに覚えておくと良いですね!
Flap-tにならない2つの条件
先ほどお伝えした条件から考えると、[t]の前後が母音の場合はFlap-tになるということなのですが、実際にはFlap-tにならない場合があります。 ここでは、[t]の前後が母音でもFlap-tにならない2つの条件を解説しておきましょう。
条件①単語内において[t]に続く母音にアクセントがくるとき
[t]の後の母音にアクセントがくるときはFlap-tにはなりません。例えば以下の単語に注目してみてください。
- hotel /hoʊtél/
- return /rɪtə́ːrn/
- thirteen /θərtíːn/
- photography /fətɑ́ːgrəfi/
いずれも[t]の後の母音にアクセントがありますね。この場合はFlap-tにはならないということです。
ちなみに、potatoは、1つ目の[t]においては後ろの母音にアクセントが来るのでFlap-tにはなりませんが、2つ目の[t]はFlap-tで発音できるというちょっとややこしいことになります。
条件②単語内において[t]に続く母音に第2アクセントがくるとき
単語内において[t]に続く母音に第2アクセントがくるときにはFlap-tにならない点も覚えておきましょう。例えば、以下の単語が該当する例となります。
- secretary /sékretèri/
- territory /térətɔ̀ri/
- appetite /ǽpətàɪt/
- inventory /ɪ́nvəntɔ̀ːri/
第2アクセントとは、2番目に強く発音する音節を意味します。あまり普段意識されていない方も多いかもしれませんが、第2アクセントに意識すると発音の向上にもつながるため覚えておくと良いでしょう。
その他の例外について
通常は母音に挟まれた[t]はFlap-tとなるのですが、ごくまれにFlap-tにならない場合もあるので、念のためにお伝えしておきましょう。
- detail /dɪ́teɪl/
- YouTube /júːtuːb/
特に明確な理由はありませんが、上記2つの単語に関してはFlap-tになりません。このような例外もごくまれに存在するということを一応頭に入れておくと良いでしょう。
まとめ:英語の[t]の発音を学ぶ上で外せない『Flap-t』とは?
今回は、「Flap-t(フラップt)」について解説しました。Flap-tとは、[t]を「トゥッ」と発音せずに舌先で上あごを弾く発音のことで、「ドゥ」もしくは「ル」のような音になる発音方法です。また、 Flap-tになるルールとして、以下の3つをご紹介しました。
1. 単語内で[t]が母音に挟まれている
2. 母音+[tl]で終わる単語
3. [t]で終わる単語の前後に母音がある(熟語・文章)
細かいルールはありますが、まずは「[t]の前後が母音のときにFlap化する」と覚えておきましょう。実際に「Flap-t」を発音する方法や、発音できるようになるための練習法などについては、また別記事で紹介させていただきますね。
Flap-tをマスターすることで、アメリカ英語は飛躍的に上手に話せるようになります。あなたも今よりさらに発音のレベルを上げるために、ぜひともFlap-tをマスターしてみてはいかがでしょう。 発音矯正においては、きちんと論理立てて作られたカリキュラムをもとにコツコツと進めていく必要があります。一人ではなかなか難しい、そう感じる方はぜひ一度Discovering Soundsのレッスンを受けてみてくださいね!
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