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英語の時間を表す前置詞のuntil-by-for-inはどうやって使い分ける?

英語で時間を表す際、until・by・for・in といった前置詞は頻繁に登場します。これらは一見似通っているため、日本語の「まで」「までに」「〜間」「〜後で」などと直訳しがちですが、英語ではそれぞれ役割がはっきりと異なります。

意味の違いだけでなく、文脈や時制によって自然な使い方が変わるため、正確に使い分ける力が求められます。今回は英語発音矯正スクールのDiscovering Soundsより、英語の時間を表す前置詞のuntil-by-for-inはどうやって使い分けるのかをテーマにお届けしていきます。

until の使い方 ― 継続と終点を示す

until(または till)は「(ある時点)までずっと」「〜するまでは」の意味で使われ、動作や状態がその時点まで継続することを示します。重要なのは「継続」を表す点で、終了時刻を含むイメージで理解されることが多いということです。

たとえば “I’ll wait until 6 o’clock.” は「6時まで待っています(6時に待つのをやめる)」という継続のニュアンスです。現在進行形や未来進行形と組み合わせて “I’ll be working until midnight.” のように使うと自然です。

否定文では「〜になるまで〜ない」という意味にもなります。 “He didn’t speak until he was asked.” は「尋ねられるまで話さなかった」を意味します。また、until は「終点」を示すため、期限(deadline)というよりは「その瞬間まで続く」という感覚で使うのがコツです。なお、日常会話で till という短縮形もよく使われます。

by の使い方 ― 期限(deadline)・到達基準を示す

by は「遅くとも〜までに/〜までに(完了している状態)」という期限を示します。期限の概念が強く、ある時点までに「完了していること」を期待したい場合に使います。

たとえば “Please submit the report by Friday.” は「遅くとも金曜日までに提出してください(それまでに終わらせておいてほしい)」という意味になります。ここでのポイントは、締め切りまでに行えばよく、締め切り当日に行っても問題ない点です。

時制面の表現としては “By the time + 主節” を使うと便利です。”By the time you arrive, I will have finished cooking.” は「あなたが到着するまでには料理を終えているだろう」という未来完了のニュアンスを生みます。

by は期間(within)とも近いですが、within が「〜の期間の中でいつでも」という柔らかい表現なのに対し、by は「その時点までに必ず完了」という強い締め切り感があります。

for の使い方 ― 継続の長さ(期間)を表す

for は「〜の期間」「〜の間」という意味で、ある動作や状態がどれくらい続いたか(あるいは続くか)を表します。時間表現と一緒に使うのが基本で、”for three hours”、”for a long time”、”for two weeks” のように表現します。

例として “She lived in Tokyo for five years.”(彼女は5年間東京に住んでいた)や “I’ve been waiting for thirty minutes.”(30分待っている)などが挙げられます。

時制と組み合わせると分かりやすいのが現在完了との相性で、”for” は過去から現在までの継続を表す際に頻繁に用いられます。一方、for は起点(since)とは異なり、具体的な開始時刻を示さない点に注意してください。開始時刻を明示する場合は since(〜以来)を使います。

in の使い方 ― 「〜後で」「〜のうちに」「〜に(期間・月・年)」

in は文脈によって幅広く使われますが、時間を表す際の代表的な用法は二つあります。一つは「〜後で(after)」、もう一つは「〜のうちに(within)」や「〜に(年・月・朝などの時間帯)」です。

具体例として “I’ll be there in ten minutes.” は「あと10分で行く(10分後に着く)」を意味し、”in” が「〜の後で」を表します。一方で “in April”、”in 2025″、”in the morning” のように年月や時間帯を表す場合にも in を使います。
“in” と “by” の違いの典型例として、”I’ll finish it in an hour.” は「1時間後に(だいたいその時に)終わらせるつもりだ」、”I’ll finish it by an hour” は一般的に不自然で、正しくは “I’ll finish it within an hour.” や “I’ll finish it by one o’clock.”(1時までに終える)となります。つまり “in” は【経過してから】の到達を示し、”by” は【期限までに】の完了を示す、という視点の違いがあります。

対比:until と by、for と in の使い分け(実践編)

まず until と by の対比。パーティで「私は5時までここにいる」と言いたければ “I’ll be here until 5.” と言います。これは5時まで居続け、その後去ることを示します。一方「5時までに来てください」は “Please come by 5.” です。

話し手が「到着する時刻の上限」を指定している点が異なります。仕事の締め切りでも同様です。”Finish the task by Friday.” は締切を指定、”Work on this until Friday.” は金曜日まで作業を続けることを示します。

次に for と in の対比。旅行の予定で「私は3日間パリにいる」と言う場合は “I’ll stay in Paris for three days.”。対して「3日後にパリに着く」は “I’ll arrive in Paris in three days.” と言います。前者は滞在期間、後者は到着までの時間です。同じ数字が出ても意味は逆になりますので注意が必要です。

よくある誤用と自然な言い換え例

「〜までに終わらせる」という日本語を直訳して “I will finish it until Friday.” としてしまう誤りをよく見かけます。正しくは “I’ll finish it by Friday.” また「三日以内に終わらせる」は “within three days” が自然です。 “in three days” は「三日後に(その時点で)」を意味しますので、依頼や締切のニュアンスでは within や by を選ぶのが無難です。

また “I’ve lived here since five years.” は誤りで、正しくは “I’ve lived here for five years.”(期間)もしくは “I’ve lived here since 2018.”(開始年を指定)です。時制の相性(現在完了+for/since)も合わせて覚えると誤用が減ります。

まとめ(箇条書き)

いかがでしたか?今回の内容としては、
・until は「ある時点までずっと続く(継続の終点)」を表す。例:I’ll wait until 6.
・by は「遅くとも〜までに(期限・完了の基準)」を表す。例:Submit the report by Friday.
・for は「〜の期間(継続の長さ)」を表す。例:She studied English for three years.
・in は文脈で「〜後で(after)」や「〜に(年・月・時間帯)」を表す。例:I’ll come in ten minutes / in April.
・until と by の違いは「継続(until)」対「期限(by)」
・for と in の違いは「期間(for)」対「経過後の到達(in)」
・現在完了と組み合わせる際は for(期間)と since(起点)を使い分ける
・締切や依頼では by / within を用い、in と混同しないよう注意する
以上の点が重要なポイントでした。全部を理解するのは大変ですが、1つ1つ確実に覚えていきましょう。


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