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カタカナ英語は何がダメなのか?
皆さん、こんにちは。
Discovering Soundsの講師の森本です!
今日は以下の内容についてお話ししたいと思います。
「カタカナ英語は何がダメなのか?」
「カタカナ英語は通じない?」
発音をあまり勉強されずに英語を勉強してきた方は沢山いらっしゃると思います。
「カタカナ英語がどうしてダメなのか?」ということに視点を当てて、
本記事では「カタカナ英語のどこに問題があるか」をご紹介したいと思います。
「カタカナ英語での一番の問題点」
例えば、[slope]という単語があります。これをカタカナ読みすると、日本語では「スロープ」です。
日本語のこのカタカナ読みの「ス」は英語で書くと[su]となり、「ウ=u」という母音が入っています。
「この母音が邪魔をしているもの」なのですね。[slope]の発音記号は[slóʊp]となり、
[s]と[l]の間に母音は入っていません。カタカナ読みでこの英単語を読んでしまうと、
どうしてもこの[s]と[l]の間に母音を入れて読んでしまうという、日本人特有の発音になってしまいます。
日本人は、「本来母音を入れてはいけない場所に母音を入れがち」です。
なぜなら、カタカナ読みがそうさせているからです。
この[slope]のように、子音が2つ続くスペルの単語というのは沢山あります。以下その例です。
①[slope]の[sl]から始まる単語
②[plan]の[pl]
③[blind]の[bl]
④[claim]の[kl]
⑤[glass]の[gl]
⑥[flat]の[fl]
①~⑥のように、子音[s][p]b][k][g][f]+Lの組み合わせですね。 それぞれカタカナ読みだと、
②なら、「プラン=pulan」と、[p]と[l]の間にウの母音が入り、かつ[n]で日本語の「ン」の発音になり、
口を閉じてしまいますが、本来子音[n]は口は閉じずに終わります。この母音の「ア」発音記号は
アップルのアの[æ]です。これもカタカナ読みだと、日本語の「ア」になってしまいます。
③は「ブラインド=bulaindo」と発音しがちですが、本来は[blάɪnd]になり、カタカナ読みだと、
最後のdにも母音オがくっついてしまいうことになります。④は「クレイム=kuleimu」と発音しがちですが、
本来は[kleɪm]で最後のmにも母音はつきません。カタカナ読みだと、最後にも母音がくっついてしまいます。
⑤は「グラス=gulasu」ですが、本来は[glæs]ですが、カタカナ読みだと、gとsの後ろに母音がくっついてしまい、
ネイティブが聞くと「ん?」となってしまう発音になります。しかも日本語には「らりるれろ」の
発音に[r][l]の区別はないので、カタカナ読みになると、[gurasu]と、[r]よりになりがちです。
子音[s][p]b][k][g][f]+Lの組み合わせ以外にも、このように子音が2つ続くスペルの単語というのは他にもあります。
それは、子音[p][b][t][d][k][g][f][st][θ][ ʃ]+Rの組み合わせです。例えば、単語でいうと、
[problem][brown][true][drove][crown][group][frame][street][through][shrink]のようなものがあります。
以上のように、「カタカナ読みの一番の問題点」は「本来母音を入れてはいけない場所に母音が入ってしまう」
ことでした。では、ほかにはどんな問題点があるでしょうか?
「カタカナ読みの他の問題点」
それは、「カタカナ読みの母音の音と、本来の母音の音が違ってしまう」ことです。
一番最初にご紹介した[slope]ですが、カタカナ読みになると「スロープ」になります。
この場合、日本語のカタカナ読みだと母音が3つ入っていることになります。
[sulopu]のように、3つ入っていますね。しかしながら、[slope]の発音記号は[slóʊp]ですので、
母音は[óʊ]この「オウ」の2重母音だけになります。カタカナ読みだと3つも入っていた母音、
しかも一番大事なアクセントのある母音がカタカナ読みだと[o=オー]になってしまっているのに対し、
英語は[óʊ=オウ]の2重母音です。「オー」と「オウ」では音が全然違いますね。
他の例でも書きましたが、[plan]の母音は[æ]です。これは[apple]の語頭の母音が[æ]なので、
「アップルのア」というとイメージしやすいため、こう表現しています。
「英語の「ア」には[æ][a:][ʌ][ə]の4つ」です。カタカナの「ア」はこの4つのように分類されていないため、
すべて同じ「ア」になりますので、カタカナ読みで母音「ア」のある英単語を読んでしまうと、
母音の音が違ってくるということになります。しかも、カタカナの「ア」は長短もありません。
「朝=アサ」「赤=アカ」のように、「ア」は一定の短い音になっています。
英語の[soccer]の発音記号は[sάkɚ]で長母音の[a]です。
カタカナの「ア」よりは長く発音されますし、音も違います。
ここまで「カタカナ英語は何がダメなのか?」というダメな部分の問題点を2つお話ししました。
「カタカナ英語は果たして通じるのか通じないのか?」という点に関しては、結論は「通じない」です。
日本に長くいるネイティブで、カタカナ英語にある程度慣れている人にはある程度は通じるかもしれません。
ですが、現地に行ってカタカナ英語を聞いたことのないネイティブに話しても、「通じない」です。
例えば、よく日本人が発音を間違える単語に[determine]というものがあります。
これは「デターマイン」と間違って覚える方が多いのですが、実際の発音記号は[dɪtˈɚːmɪn]です。
私がこれを「デターマイン」と聞いたときは、どの単語なのかがパッと理解することができませんでした。
このように、発音を少し間違えるだけでも、聞いている相手はよくわからないことがあります。
「子音の間に常に母音が入ってしまう、カタカナ読みの発音では通じにくい」、「母音の音が違うだけでも通じにくい」
というのがおわかりいただけたかと思います。
正しい発音を身につけるのは、本当に大切なことなんですね。
今回の記事では「カタカナ英語は何がダメなのか?」ということをご紹介しました!
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