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「won’t」と「want」の発音の違いとコツは?

英語を学ぶ上で、「won’t(〜しないつもり)」と「want(〜したい)」は非常によく使われる重要な単語です。しかし、この2語は発音が似ているため、日本人を含む英語学習者が混同しやすいという大きな問題があります。たとえば「I won’t go」と「I want to go」は正反対の意味ですが、発音を間違えると、意図とはまったく違うメッセージとして相手に伝わってしまいます。

英語のネイティブスピーカーは音の微妙な違いに非常に敏感ですので、発音のズレがあるだけで「聞き取ってもらえない」「誤解される」といった場面が起こる可能性があります。

そこで今回は英語発音スクールのDiscovering Soundsより、「won’t」と「want」の発音の違いを詳しく解説し、日本人がなぜ混同してしまうのか、そしてそれをどう克服するかについて、具体的なトレーニング方法も交えて紹介していきます。

「won’t」と「want」の発音の基本的な違い

まずは、「won’t」と「want」の発音の基本的な違いについて見ていきましょう。

「won’t」と「want」の発音の違い1. 母音の違い

まず注目すべきは、それぞれの単語に含まれる母音の音です。

won’t は /woʊnt/ と発音され、母音/oʊ/は英語の二重母音で、日本語の「オ」と「ウ」を滑らかに連続して発音するような音です。

want は /wɑːnt/ と発音され、母音/ɑː/は、喉の奥で響かせるような、やや低く深い「ア」の音になります。

つまり、「won’t」は「ウォウント」、「want」は「ワーント」とイメージすればよいでしょう。ただし、スペルに引っ張られて「ウォント」と発音してしまう人が多いので注意が必要です。

「won’t」と「want」の発音の違い2. 音の長さと口の形

「won’t」に含まれる/oʊ/という音は、英語の中でも比較的長く伸ばす音であり、発音時には唇をすぼめる必要があります。これに対して「want」の/ɑː/は短く、口を大きく開け、舌を後ろに下げます。

won’t:「ウォウ」→ 唇を丸めてすぼめるようにしながら滑らかに音を出します。
want:「ワー」→ 口を大きく開いて短く「アー」としっかり発音します。

このように口の形と動きが異なるため、ミラーを見ながら練習することが効果的です。

日本人が混同しやすい理由

続いて、「won’t」と「want」が日本人にとって混同しやすい理由について見ていきましょう。

「won’t」と「want」が混同しやすい理由1. 「ア」と「オ」の区別が日本語では曖昧

日本語には、英語に比べて母音の種類が少なく、「ア」「イ」「ウ」「エ」「オ」の5つしか基本的に使われません。そのため、英語の/oʊ/や/ɑː/のような音を聞いても、どちらも「オ」や「ア」にしか聞こえないという問題があります。

たとえば、日本語で「ウォント」とカタカナ表記してしまうと、「won’t」と「want」の区別が完全に曖昧になります。英語における音の違いを正しく聞き分けられないと、発音の改善も難しくなるため、まずは耳のトレーニングから始める必要があります。

「won’t」と「want」が混同しやすい理由2. スペルと音が一致しない英語特有の難しさ

英語は、スペルと発音が必ずしも一致しない言語です。「won’t」と「want」は似たような綴りですが、実際の音は大きく異なります。

このスペルの「見た目」に惑わされることで、「won’t」を「want」のように読んでしまったり、逆に「want」を「won’t」っぽく言ってしまうケースも多く見られます。

正しい発音のためのトレーニング方法

続いて、正しい発音のためのトレーニング方法について見ていきましょう。

トレーニング方法1. ネイティブの音声で耳を鍛える

まず最も大切なのは、正しい発音を耳に慣れさせることです。アプリや、YouTubeの発音チャンネルを使って、「won’t」と「want」のネイティブ音声を繰り返し聞きましょう。特に発音記号を見ながら音を聞くと、音と文字の関係が理解しやすくなります。

発音矯正アプリ(例:Discovering Nativeなど)を活用して、自分の発音がどれだけ正確かをフィードバックしてもらうのも効果的です。

トレーニング方法2. 自分の発音を録音して比較する

スマートフォンのボイスメモや録音アプリを使って、自分の発音を録音し、ネイティブの発音と聞き比べてみましょう。録音して客観的に聞くことで、発音のクセや弱点に気づきやすくなります。Discovering Nativeでは、自身の発音を録音して聞く機能も搭載しております。

トレーニング方法3. 鏡の前で発音練習

口の形を正しく使えているかを確認するには、鏡の前での練習が効果的です。
「won’t」では口をしっかりすぼめて「オウ」と伸ばす
「want」では縦に開けて「ア」と短く言い切る
口の形を意識的に変えることで、音の違いが明確になりやすくなります。

例文で実践練習

実際の会話や文章の中で発音を練習することで、より自然な音に近づくことができます。以下の例文を使って、リズムとイントネーションも意識しながら音読しましょう。

I won’t forget this moment.(この瞬間を忘れないつもりだ)
I want you to be happy.(あなたに幸せになってほしい)
He won’t come today.(彼は今日は来ないでしょう)
She wants a new bag.(彼女は新しいバッグが欲しい)

まとめ:発音の違いを克服して、伝わる英語へ

「won’t」と「want」はスペルや響きが似ているため、日本人学習者がつまずきやすい単語です。しかし、音声の違いや口の動きを理解し、正しく練習を積めば、誰でも区別できるようになります。

以下のポイントを押さえて練習を進めていきましょう。
「won’t」=ウォウント(/oʊ/)
 → 唇をすぼめて長めに「オウ」と発音
「want」=ワント(/ɑː/)
 → 口を大きく開けて「アー」と発音

発音は一朝一夕で身につくものではありませんが、毎日の少しの積み重ねが大きな成果に繋がります。「won’t」と「want」の違いをマスターすることは、英語コミュニケーション力の向上に大きく貢献しますので、ぜひ今日から実践してみてください。


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