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複数形「es」のルールと発音のコツについて
英語の名詞を複数形にする基本ルールは、「-s」を語尾に付けることです。しかし、すべての単語にこのルールが当てはまるわけではありません。ある特定の音で終わる単語には、「-es」を加える必要があります。これは単なる文法の決まりではなく、発音をスムーズにし、言葉として自然に聞こえるようにするための工夫でもあります。
たとえば「bus → buses」「box → boxes」のようなものがそれにあたります。今回は複数形「es」のルールと発音のコツをテーマにお届けしていきますので、ぜひご覧ください。
目次
「es」がつくのはどんな単語?
名詞を複数形にする際、通常は語尾に「-s」をつければ済みます。しかし、ある特定の音で終わる単語には、「-es」を加える必要があります。これは文法的なルールであると同時に、発音の自然さを保つための工夫でもあります。
具体的には、s, x, z, ch, sh, o の音で終わる単語です。代表的な例を挙げてみましょう。
bus → buses
box → boxes
buzz → buzzes
watch → watches
dish → dishes
hero → heroes
これらはすべて、語尾が摩擦音(sh, s, z など)や破擦音(ch など)で終わっています。もしこのような語に単純に「-s」だけを付けてしまうと、発音が詰まってしまい非常に言いにくくなるため、新たに一音節「-es」を加えることでリズムを整え、発音しやすくしているのです。
子音+yで終わる、fまたはfeで終わる場合
子音+yで終わる場合には、下記のようにyをiに変えて「-es」を付けます。
baby → babies
city → cities
ただし、母音+yで終わる場合はそのままsを付けます。
boy → boys
day → days
また、fまたはfeで終わる単語は、通常、fまたはfeをvに変えて「-es」を付けます。
leaf → leaves
knife → knives
wife → wives
wolf → wolves
ただし、全てのf/feで終わる単語がこのルールに従うわけではありません。
roof → roofs
belief → beliefs
cliff → cliffs
などはそのままsを付ける例外です。単語によって異なるため、個別に覚える必要があります。
「-es」の発音ルール
続いて、「-es」の発音ルールですが、esは、「/ɪz/(ィズ)」という一音節を加えて発音します。これは音のつながりを滑らかにし、発音の負担を減らすためです。
buses /ˈbʌsɪz/
dishes /ˈdɪʃɪz/
watches /ˈwɑːtʃɪz/
注意すべきなのは、この /ɪz/ の音を日本語の「イズ」とはっきり発音しすぎないこと。軽く「ィズ」と短く、かつ自然に発音するのが英語的です。
「-es」の発音に慣れるための練習方法
「-es」の正しい発音を身につけるには、実際に声に出して練習することが最も効果的です。次のような練習を日常的に行うことで、口の動きが自然と覚えてくれるようになります。
辞書などで正しい発音記号を確認し、たとえば「watches /ˈwɑːtʃɪz/」を見ながら「ウォッチィズ」とゆっくり丁寧に声に出してみましょう。また、bush → bushes、dish → dishesなど類似した単語を集めて練習することで、音のルールが自然に定着していきます。単語単体での発音練習も大切ですが、実際の会話で自然に使えるようにするには、文脈の中で練習するのも効果的です。
例外的な「-es」も存在する
すべての単語がルール通りになるとは限らないのが英語の難しいところです。「quiz → quizzes」など、やや特殊なつづりや発音変化を伴う単語もあります。さらに「o」で終わる単語も注意が必要です。「hero → heroes」のように「-es」をつけるものもあれば、「photo → photos」のように「-s」だけで済む場合もあります。これは語源や慣用によって決まっており、例外を覚えるしかない場合もあります。そのため、辞書を活用して実際の発音や音声を確認する習慣を持つことが、正しい発音を身につけるうえで非常に有効です。
まとめ:複数形「es」のルールと発音のコツについて
いかがでしたか?今回の内容としては、
・「-es」がつくのは語尾が s, x, z, ch, sh, o の単語
・/ɪz/ は摩擦音・破擦音で終わる語の複数形に使われる
・/ɪz/ は日本語の「イズ」より軽く「ィズ」と発音する
・一部には例外もあるので、音声や辞書を活用して確認する習慣が重要
以上の点が重要なポイントでした。正確な「-es」の発音をマスターすることは、英語全体の発音スキルの底上げにつながります。文法だけでなく、実際に口を動かしながら覚えていくことで、ネイティブに近い自然な発音が身についていくでしょう。
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