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【英語】発音できない音は聞き取れない…は本当なの?
英語の発音に苦しんでいる方の多くが、特に「th」や「r」、「l」といった日本語には存在しない音をうまく発音できず、聞き取ることにも悩んでいるのではないでしょうか?「発音できない音は聞き取れない」という言葉を耳にしたことがあるかもしれませんが、果たしてこれは本当なのでしょうか?
今回は英語発音矯正スクールのDiscovering Soundsより、「発音できない音は聞き取れない」というのは本当かというテーマでお届けしていきますので、ぜひご覧ください。
目次
発音できない音は聞き取れない?
言語には、人によって発音しやすい音と、そうでない音があります。特に、自分が普段使っている言語、つまり母語には存在しない音は、発音が難しくなる傾向があります。たとえば英語の「th」や「r」「l」の音などは、日本語にはないため、日本語話者にとっては発音しづらく感じることがよくあります。また、これらの音を発するためには、舌や唇などの動きを細かくコントロールする必要があり、その身体的な動きに慣れていないと、うまく発音できないこともあります。
このようなことから、「発音できない音は聞き取れない」という考え方が広まりました。これは、発音する力と聞き取る力が密接に関係しているという立場です。つまり、自分で正しく発音できない音は、他人が話すその音も聞き分けるのが難しい、という考え方です。
しかし、近年の研究では、たとえ自分ではうまく発音できなくても、繰り返しリスニングの練習を行うことで、その音を聞き取る能力を高めることは可能であると示されています。
発音できる音ほど聞き取りやすい傾向がある
人は、自分で発音できる音ほど、聞き取りやすい傾向があります。これは、「発音する動き」と「音を聞いて見分ける力」がお互いに関係しているからです。たとえば、母語でよく使う音は自然に口が慣れていて発音しやすく、そのぶん耳もその音に敏感になります。
逆に、母語にない音は口の動きが慣れていないため発音しづらく、その結果、聞き取るのも難しくなることがあります。英語の「th」や「r」「l」など、日本語にない音がわかりにくいのはこのためです。
しかし、「発音できなければ絶対に聞き取れない」というわけではありません。実は、聞き取りの力は、耳だけでなく脳の働きにも関係しています。リスニングの練習を重ねたり、いろいろな英語の音に触れたりすることで、発音が苦手な音でも少しずつ聞き分けられるようになります。たとえば、日本語話者が英語の「th」の音を発音するのは難しくても、何度も聞いて練習することで「th」の音を正しく聞き取れるようになる人は多いのです。
音声の認識能力と認知的な柔軟性
言語を学ぶとき、発音と聞き取り(聴覚)は一方通行ではなく、お互いに影響し合っています。新しい言語を学ぶ過程では、耳がその言語の音を「聞き取る力」を身につけると同時に、その音を「発音する力」も発達していきます。
特に、まだ発音できない音を聞き取れるようになるには、その音を何度も繰り返し聞くことが大切です。たとえば、苦手な音を意識して何度も聞いたり、練習したりすることで、少しずつその音を聞き分ける力がついてきます。
発音練習を先にすることのメリットについて
子どもが母語を身につけるとき、まず耳で音を聞いて、それを真似しながら発音できるようになります。これは、大人が英語などの第二言語を学ぶときにも当てはまります。
一般的にはリスニングの力を高めることで聞き取れるようにしますが、発音練習を先に行うことで、音の特徴を体で覚え、それによって耳もその音に敏感になり、聞き取りやすくなるという効果が得られます。つまり、正しく発音できるようになると、その音を聞き取る力も自然と上がるのです。発音とリスニングはお互いを助け合うように伸びていきます。発音できない音は、最初は聞き取りにくいと感じるかもしれませんが、繰り返し練習を重ねることで、次第に聞き分けられるようになっていきます。このように、発音と聴覚の力は別々ではなく、ひとつの連動した学習過程として育っていくのです。
まとめ:【英語】発音できない音は聞き取れない…は本当なの?
いかがでしたか?今回の内容としては、
・発音できる音は、聞き取りやすくなる傾向がある
・発音できなくても、リスニング練習で聞き取れるようになる
・発音と聞き取りは相互に影響し合う関係
・発音練習を先に行うと、リスニング力も伸びやすい
以上の点が重要なポイントでした。発音とリスニングは、まさに「表裏一体」。どちらもコツコツ練習を重ねることが、英語力アップへの近道です。
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