6月に突入すると、徐々に作品としての完成度が高まっていたと思います。英語での演技の恥ずかしさや苦手意識は薄まり、良い雰囲気の中、リハを行えていたことが良かったのだと思います。
この頃になると、皆さんの仲も深まり、お互いの演技への助言なども頻繁に行えるようになっていたため、一種の安堵感も感じていました。
しかし、最大の問題も起こり始める
しかし、クオリティが高まると同時に、大きな問題が出始めた時期でもあります。
今回の映画プロジェクトでは、役者の皆さんは「Discovering Sounds」の生徒さんなので、英語レベルの差がありました。そのため、私のほうで各生徒さんのレベルに合わせたキャスティングを行ったのですが、それぞれの英語レベルの限界ラインまで、到達する人が出始めてしまったのです。
ピンチは最大のチャンス
しかし、生徒さんが英語で演技することへの限界を感じることは、悪いことではないとも感じていました。
というのも、自分のレベル以上の(まだ、レッスンで習っていない)学習も必要になるため、映画プロジェクトを通して、さらなるレベルアップを実現できるメリットがあるからです。
もちろん、大変だったと思います。それぞれお仕事や学校があるため、その中で英語のレベルアップを図ることは簡単なことではありません。
しかし、バイタリティと向上心が高い「Discovering Sounds」の生徒の皆さんは、壁を乗り越える努力を怠ることはありませんでした!
各自最大限の準備を行ってくれました
全員で集まり、助言や話し合いを行える時間は多くありません。
そのため、作品のクオリティを向上させるためには、役者さん一人一人の綿密な準備が不可欠です。
もちろん私は「プロデューサー兼発音指導」として、準備の大切さや映画プロジェクトへの想いを伝えていましたが、結局のところ各役者さんに作品のクオリティはかかっていると言っても過言ではありません。
しかし、私の心配とはよそに、やりきれるところまで準備をやりきってくれました。
力を抜いて80%の力を出せればOKと切り替える
もちろん完璧な演技、完璧なセリフを目指して練習に励んでいましたが、どこかプレッシャーに感じてしまう役者さんも多かったように思います。
そのため、「70-80%の実力が本番で出れば素晴らしい。」という考えを周知させ、完璧ではなく楽しむことを重要視しました。
練習と本番ではすべてが異なるため、練習で100%を出せたとしても、本番ではどうしてもうまくいかないことが多いものです。過度なプレッシャーを与えず、良い雰囲気を保つことも映画撮影には重要だと感じていました。
本番前日に壮行会実施
心配の種は多かったですが、なんとか本番前日の壮行会まで進むことができました。
壮行会では本番さながらの雰囲気とやる気で挑み、本番への良いステップにできたと今では感じています!