英語を学ぶ日本人にとって、見た目が似ていて発音がまったく異なる単語は、大きな混乱のもとです。特に、Though / Through / Tough / Thorough / Thoughtは、スペルが似ているにもかかわらず、意味も発音もバラバラ。TOEICや英会話にも頻出で、正確な理解が求められる重要単語です。

今回は英語発音矯正アプリのDiscovering Nativeより、それぞれの単語の意味・使い方・発音・日本人がよくする間違いを丁寧に解説し、混乱を解消するお手伝いをします。

1. Though

まずはThoughについて見ていきましょう。

Thoughの意味と使い方

「〜だけれども」「とはいえ」といった逆接の接続詞として使われます。主に口語表現で文末に付けて軽く補足する形や、文中で前文と逆の意味をつなげるときによく使われます。

例文:It’s expensive, though.(高いけどね)
例文:Though it was raining, we went hiking.(雨が降っていたけれど、ハイキングに行った)

この単語はフォーマルでもカジュアルでもよく登場し、日常会話からビジネスメールまで幅広く使えます。

Thoughの発音:[ðoʊ]

「th」は有声の[ð]。舌先を上下の歯の間に軽く挟んで「ズ」のような音を出します。「ough」は「オウ」と伸ばすように発音し、結果として「ドウ」に近く聞こえます。

Thoughのよくある間違い

「through」「tough」とスペルが似ており、読み方を混同するケースが非常に多いです。英語には「ough」という綴りがつく単語が多く、発音ルールが一定でないため、「見た目が似ている=同じ発音」という思い込みは誤解を生みます。

2. Through

続いて、Throughについて見ていきましょう。

Throughの意味と使い方

「〜を通って」「〜を通じて」といった意味を持ち、空間・時間・手段などの通過を表す重要な前置詞/副詞/形容詞です。

例文:We walked through the park.(公園を通って歩いた)
例文:He got the job through a friend.(友人を通じて仕事を得た)
例文:Are you through with your homework?(宿題、終わった?)

Throughの発音:[θruː]

「th」は無声の[θ]で、「スー」と摩擦音を出します(舌先を歯に軽く当てて)。「rough」はこの単語では「ruː(ルー)」と発音され、「スルー」に近い音になります。

Throughのよくある間違い

日本人には「トラフ」や「トゥルー」と間違えるケースが多く、見た目に引っ張られて発音を誤る傾向があります。また、「th」の音は日本語にないため、「ス」「ズ」の違いが聞き取りにくく、口の形と舌の位置を意識した練習が不可欠です。

3. Tough

続いて、Toughについて見ていきましょう。

Toughの意味と使い方

「頑丈な」「困難な」「我慢強い」といった意味があり、物理的な硬さから精神的な強さまで幅広く使われます。

例文:She is a tough competitor.(彼女は手強い競争相手だ)
例文:This steak is tough.(このステーキは硬い)
例文:It was a tough decision.(難しい決断だった)

Toughの発音:[tʌf]

「ough」が「ʌf(ア+フ)」のように発音され、全体で「タフ」となります。日本語の「タフガイ」などからイメージしやすく、比較的覚えやすい単語です。

Toughのよくある間違い

見た目の綴りから「トゥーフ」や「トウフ」と発音してしまうのがよくある誤りです。発音は耳で覚えるのが効果的で、視覚的な情報だけに頼ると混乱しやすくなります。

4. Thorough

続いて、Thoroughについて見ていきましょう。

Thoroughの意味と使い方

「徹底的な」「完全な」という意味で、仕事・検査・調査などに対して抜けや手抜きがない状態を表します。

例文:We need a thorough investigation.(徹底的な調査が必要だ)
例文:She gave the room a thorough cleaning.(部屋を徹底的に掃除した)

Thoroughの発音:[ˈθɜːroʊ](米)/ [ˈθʌrə](英)

「th」は無声の[θ]で「ス」。「orough」の部分は、米音では「サロウ」、英音では「サラ」と聞こえます。

Thoroughのよくある間違い

「through」や「thought」と見間違えたり、「ソロウ」と読んでしまうことが多いです。特に、スペルと音が一致しないため、目ではなく耳で覚えることが大切です。

5. Thought

続いて、Thoughtについて見ていきましょう。

Thoughtの意味と使い方

「考え」「思考」「意見」といった意味を持ち、「think」の過去形・過去分詞でもあります。会話・ビジネス・試験において非常によく登場する基本単語です。

例文:I thought about it.(それについて考えた)
例文:That’s a good thought.(それはいい考えだね)

Thoughtの発音:[θɔːt]

「th」は無声の[θ]で「ス」のような摩擦音。「ough」は「ɔː(オー)」で、最後の「t」は明確に発音されます。結果として「ソート」に近くなります。

Thoughtのよくある間違い

「トート」や「トゥーフ」と間違えることが多いです。「think(シンク)」と「thought(ソート)」はセットで覚えるのが効果的です。

まとめ:間違えやすい5単語!Though・Through・Tough・Thorough・Thoughtの発音を解説!

今回紹介した5つの単語は、英語学習者が非常に混乱しやすいものですが、それぞれに明確な発音と意味の違いがあります。

Though:[ðoʊ] → 「〜だけれども」→「ゾウ・ドウ」
Through:[θruː] → 「〜を通って」→「スルー」
Tough:[tʌf] → 「頑丈な・困難な」→「タフ」
Thorough:[ˈθɜːroʊ] → 「徹底的な」→「サロウ」
Thought:[θɔːt] → 「思考、考えた」→「ソート」

スペルに頼らず、耳と口を使って反復練習することが、発音と意味を正しく定着させる鍵です。ぜひ、実際の会話やリスニング教材などでこれらの単語を意識して聞いてみてください。