英語を学習していると、似たような意味を持つ言葉の「使い分け」に頭を悩ませることが多々あります。その代表格と言えるのが、「~かどうか」という意味を持つ「if」と「whether」ではないでしょうか。
どちらを使っても大差ないと考えがちですが、二つの言葉には使い分けなければならない文法的なルールや、ネイティブが直感的に使い分けているニュアンスの差が存在します。今回は、英語発音矯正アプリDiscovering Nativeより、「if」と「whether」の共通点から決定的な違いを解説していきます。
「if」と「whether」の共通点
まずは、多くの学習者が「どちらを使ってもいい」と認識している部分、つまり「共通点」から整理していきましょう。この二つの接続詞が最も頻繁に重なり合うのは、他動詞の目的語となる(間接疑問文|~かどうか)ときです。
例えば、「彼が来るかどうか知っていますか?」という文章を考えてみましょう。
Do you know if he will come?
Do you know whether he will come?
この場合、意味に大きな違いはなく、どちらを使っても正解です。英語の日常会話では、短くて発音しやすい「if」が好まれる傾向にあります。動詞の know, ask, wonder, see, doubt などの後ろに続く「~かどうか」という節では、基本的にこの書き換えが成立します。
「whether」しか使えない5つのケース
「if」は非常に便利な言葉ですが、万能ではありません。文法構造によっては「whether」しか使えないケースが厳格に決まっています。
1. 文の主語として使う場合
「~かどうかは、……だ」という構造で、文の先頭(主語の位置)に置く場合、基本的には「whether」を使わなければなりません。
○ Whether we will succeed or not is still uncertain.(私たちが成功するかどうかは、まだ不透明だ)
× If we will succeed or not is still uncertain.
英語において、文頭に「If」が来ると、読み手の脳は瞬時に「もし~ならば(条件)」という条件節を予期してしまいます。混乱を避けるため、名詞節としての主語には「whether」を用いるのがルールです。ただし、形式主語の「It」を立てて、「It is uncertain if…」のように文の後ろに回す形であれば、「if」を使うことも可能になります。
2. 前置詞の直後に置く場合
前置詞(about, on, of, toなど)の目的語として「~かどうか」という節を置く場合、「if」は使えません。
○ I am thinking about whether I should go.(行くべきかどうか考えている)
× I am thinking about if I should go.
これは非常に間違いやすいポイントですが、前置詞の後ろに置けるのは「whether」のみであると覚えておきましょう。
3. 不定詞(to do)を伴う場合
「~すべきかどうか」というニュアンスを、「whether to do」という形で表現することがあります。これも「whether」特有の形です。
○ I don’t know whether to buy it or not.(それを買うべきかどうか迷っている)
× I don’t know if to buy it or not.
「if to do」という形は英語には存在しません。選択を迫られている状況で、簡潔に不定詞でまとめたいときは「whether」の一択になります。
4.「or not」が直後に続く場合
「or not」という言葉を接続詞のすぐ後ろに添える場合、「whether or not」という形は非常に一般的ですが、「if or not」という形は極めて不自然、あるいは誤りと見なされます。
○ I don’t care whether or not you like it.(君がそれを好きだろうがなかろうが、私は気にしない)
× I don’t care if or not you like it.
ただし、文末に「or not」を置く形であれば、「if … or not」とすることも可能です。しかし、直後に「or not」をくっつけたい場合は、「whether」を使わなければなりません。
5. 名詞の内容を説明する同格の節
特定の抽象名詞(question, doubt, decisionなど)の内容を具体的に説明する同格の役割を果たす場合、基本的には「whether」が使われます。
The question whether he is innocent remains.(彼が無実かどうかという問題が残っている)
ここでも、「if」を使うと条件の意味に取られる恐れがあるため、論理的な厳密さが求められる文脈では「whether」が優先されます。
「if」「whether」の使い分け
「if」には強力な「もし~ならば」という条件の意味があるため、文章によっては誤解を招くことがあります。
以下の二つの文章を比較してみてください。
Please let me know if you need any help.
Please let me know whether you need any help.
1の文章は、多くの場合「もし助けが必要なら、教えてください」という条件の意味で解釈されます。つまり、助けが必要ない場合は連絡しなくてよい、という意味合いが強くなります。
一方、2の文章は「助けが必要か、それとも不要か、その状況を教えてください」という意味になります。必要であっても不要であっても、何らかの返答を求めているニュアンスが含まれます。
このように、相手に明確な返答を求めている場合や、ビジネスシーンで白黒はっきりさせたい場合には、条件の「if」と混同されない「whether」を使う方が、コミュニケーション上の事故を防ぐことができるのです。
「or not」を付けるべきか、外すべきか
「whether」や「if」と一緒に使われる「or not」ですが、これも使い分けに迷うポイントです。
原則として、「~かどうか」という名詞節を作る場合、「or not」はあってもなくても意味は通じます。なぜなら、「whether」という言葉自体にすでに「二者択一(~か、そうでないか)」のニュアンスが含まれているからです。したがって、省略しても間違いではありませんし、会話では省略されることも多いです。
しかし、強調したい場合や、リズムを整えたい場合には「or not」を付けます。特に「whether or not」という塊で使う場合は、その後に続く内容が「どちらであっても関係ない」という強い譲歩のニュアンス(~であろうとなかろうと)を伴うことがよくあります。
まとめ:「if」と「whether」の違いとは?使い分けを分かりやすく紹介!
いかがでしたか?今回の内容としては、
・「if」と「whether」はどちらも「~かどうか」を表し、間接疑問文では置き換え可能な場合が多い
・日常会話では、短くて言いやすい「if」が好まれる傾向がある
・文の主語になる場合は「whether」しか使えず、「if」は条件節と誤解されやすい
・前置詞の直後、不定詞(whether to do)、or not が直後に続く場合は「whether」を使う
・抽象名詞(question, doubt など)の内容を説明する同格節では「whether」が適切
・「if」は条件の意味を強く含むため、返答を求める場面では誤解を招くことがある
・「or not」は省略可能だが、強調や「どちらでも関係ない」ニュアンスを出したいときに有効
以上の点が重要なポイントでした。「if」と「whether」は似ていても、文法的な制約やニュアンスには明確な違いがあります。特に条件の意味と混同されるかどうかを意識することが、使い分けの最大のポイントです。